2011年9月7日水曜日

2ヶ月弱Weibo(微博)を使って感じたこと-大都市農民工に会うために-


中国の大都市で農民工※1に会いたいという動機で2ヶ月弱Weibo(微博)※2を使い続けた。
(なぜ会いたいかについてはこの話題がホットだと感じたから。詳しくは大都市農民工のソーシャルメディア使用による権利主張と行政府の対応
ちなみにWeibo中国で使用できないTwitterの類似サービスとして知られている。(実際FacebookとTwitterの間くらいかな)



しかし、誰とも会うことが出来なかった。理由を2点にまとめると

1. Weiboは多くの農民工にとって必要がない
2. プロフィールから検索で探し出すことが難しい
3. フォローしてくれる率が低い(これは僕の問題)

そもそも多くの農民工はWeiboを使う意味を感じていない。仲の良い友達との情報交換はQQ(中国版MSNみたいなもの)でいいし、それ以外に人に公開するような情報や信条を持っている農民工は少ない。(中国語で140文字もつぶやけるほどの高文化を持っていないという負い目もある)だったら、わざわざ新しい3G携帯を買ったり、ネットカフェで使う必要もない。※3

また、この少ない農民工を探すために ”農民工 ○○都市”と打ってプロフィール検索をしても、自分が会いたい農民工(肉体労働者)に探すのが難しい。農村から都市に出てきた人は都市で大学を卒業して働いている人起業した人も農民工になるから。

農民工 上海で検索しても大卒ばかり出てくる

そして、どうにか探し出してもフォローしてくれる率が極端に低い。これは僕のプロフィール、発言にも問題があると思うが、微博はtwitterとfacebookの中間くらいの仕様なので、農民工の嗜好にだけ合うプロフィール、発言にするのも難しい。


僕のページ


ということで未だに会えていない。一応これからも継続しようと思うが、中々難しそうだなぁ。(どなかた良いアプローチのアイディアありましたら教えていただきたいです。)


※1農村からの出稼労働者。僕の場合、特に3kの肉体労働者を指す意味として使っています。
※2新浪微博のことです。
※3Weiboを使うための3G携帯を多くの農民工が持っていないのは事実だが、彼らにとって3G携帯の値段が極端に高いものではないと思う。3G携帯は安いものなら500元前後で買うことが出来、彼らの月給は、日給80元~150元だとしたら、20日労働で1600元~3000元だから給料の3分の1以下。また通信会社によるが、月額100元程度の契約でSNS等に必要なパケット量と無料通話は付随してくる。もちろん安い買い物でもないので、単純にweiboも含め、3G携帯で使用できるアプリ(Weiboも含めRenRenやゲーム等)は面子以上のベネフィットを与えていないということだろう。

2011年9月6日火曜日

能力交換で活きていくには-LocalをShareする-

2011年8月青海省玉樹からバスで西寧に戻る際に撮影

多くの人にとって現地の人々と交流することは旅の醍醐味の一つだと思うが、僕はそれよりも、特定のトピックについての討論・知識の交換・ある問題の解決など、お互いの興味・能力を駆使して価値が産み出せたときに、旅の醍醐味を感じるタイプである。

そこで、今回は、「チベット人の家でヤギの世話し、チベット語を少し学ぶこと」を目標にしていた。チベット人の中にも、日本語を勉強したかったり、色々と人手が欲しかったりする人がいるだろうから、そういう人たちのところに行くことができたらお互いに価値を産み出せると思った。

ただし、残念ながらその目標は達成できなかった。

わかっていたことだが、個人で行く場合チベット語が話せないとどうにもならないし、そもそも自分のことを必要としてくれる人とうまく出会えるかはかなり偶然性に左右される。また旅行会社等のサービスは確かに存在するが、ワザワザ仲介料を払って官製の場所にいっても仕方ない。

■Localshareできるサービス(ロカシェア)

今回のチベットの例に限らず、世界でも様々な人々がそれぞれの場所で興味・能力に対するニーズを持っていると思う。だったら、そのニーズを可視化することによって※Localshareできるサービス(ロカシェア)があってもいいんじゃないかと思う。

Local(場面)とは、空間(一定期間の協働可能)、人の集積(興味+能力)、偶然性(外部要因)が重なり、新しい価値を生みだす、つまり、新たなアイディアを創出し、プロジェクトを促進するものである。(場面=空間+人の集積+偶然性=アイディア+プロジェクトの創造)

ロカシェアはGPSを通じて、ある特定の条件(興味・能力・滞在期間)で人の集積が必要な場所を見つけ出し、Local創りを促進する。

ユーザーは、チベット人と羊の世話がしたかったら、「チベット人」「羊」と、またラオスで農業がしたいと思ったら、「ビエンチャン」「農業」と検索し、条件を照らし合わせて滞在することが出来、滞在期間中に相手の問題を解決する。また数ヶ月滞在した後にちょっと民主主義の今後が気になり、エジプトで政治討論がしたいと思ったら「エジプト」「政治討論」で検索し、滞在することが出来る。

問題の規模、形、解決の基準は当事者が決めることになるが、小さくても大きくてもそれぞれがLocalを創り出せれば、それは関わった人々にとってお金で表せない価値となる。彼らにとっての価値を創っていくのがロカシェアの価値である。

今でも高度4000mの僻地や砂漠でGPSが使えるが、今後さらに技術革新が進めば、どこでも携帯1台で行きたい場所のニーズを可視化出来るようになると思う。辺境にシェアハウス創ると同時にこういうサービスも創れたら相乗効果があって面白いなと妄想は尽きない。