2012年3月2日金曜日

優秀な中国人エンジニアにとって良い企業の条件とは



Facebookが今夏から中国有名大学でリクルートを開始(知人によると実際シークレットベースですでに面接は始まっていて、今年は数十人程度取るとのこと。)という話しを聞いて、世界的なエンジニア不足から来る中国人エンジニアの獲得競争が益々進んでいるのだと改めて感じている。

そんな、引く手あまたなエンジニアなのだが、一方で彼らにとって良い企業ってなんなのだろうとふと疑問に思った。

いろんな人の話を総合すると
1.(中国国内で)転職できる実力とブランド力
2.良い給料
3.自身の面子と周りへの安心感(親、結婚相手の親)を与えられるブランド力
という3つ点が浮かび上がってきた。

都市・農村に限らず食料でいうと年10%以上物価が上がっていく中国では、新卒時の給料とともに転職時に給料が上がる実力が身につき、ブランド力がある企業に就職することが重要である。(特にネット系企業では給料が倍以上に上がることもある)そうしないと発展に取り残されてしまうからだ。また日本以上に面子にこだわるところ、親や結婚相手の親の影響力が強いところがあるので、そういう意味でもブランド力は必要である。

こうみるとFacebookが彼らにとって良い企業であるのは納得がいく。
Facebookという自他共に認める箔は魅力的だし、それにもまして大量データのマイニング、システムインフラをすることが出来る企業は8億人以上のユーザーを有する彼以外のどこにもない。今後もサービスの横展開で大量データーが入ってくるので様々な体験ができる。実際転職先は引く手あまただろうし、給料は約820万(10万ドル)と高騰する日本のゲーム会社のエンジニアには及ばないが、それでもアメリカの初任給としては良いだろう。

上場しているのでストックオプションが無いのが唯一玉に瑕だが、その他は申し分ない。

また中国国内企業で言うと
検索エンジン、中国語ピンイン入力を提供しているSogou、中国版食べログのDianping等が当てはまるだろう。大量のデータを抱えているのでやりがいがあり、(中国入力、検索データ等)また今後も伸びそう&Facebook同様のブランド力があるので魅力的。また、ある程度規模があるので普通のエンジニアだと年125万(10万元)程度だが、スペシャルオファーであれば225万-250万(18-20万元)+ストックオプション500-600万円はもらえるだろう。周囲の受けもいい。

ストックオプションがもらえないという点はマイナス要素だが、ある程度のエンジニアに取ってBaiduやrenrenも確かに良い。(レンレンに関しては、最近ウェイボーに押されていて、若干雲行きがあやしいが)

まぁサンプルが少なく相当主観が入っているし、人によって優先順位は異なるが、それを差し引いても 1  ≧ 2≧3くらいは成り立つんじゃないかなと思う。

給料も大事だが、※転職できる実力がつき、ブランド力が潜在的にも上がるということを如何にアピールするか、基本的なことではあるが、これを徹底することが中国人エンジニアを獲得する上で何より鍵となるだろう。

※日本企業を例に取ると、給与の伸びは外資、国内企業に比べて低く、実力ではなく年功序列というイメージが企業の大小問わずに彼らの間で根強い。ただITベンチャーなどはエンジニアに対しては月25万(2万元)程出すなど、給与面では他の企業とそこまで差が無くなったので、後は、どのような権限と責任を与えられ、キャリアが形成されるのか、どう一緒に成長していくのかを明確に伝え、ブランディングしていくことが大事だろう。実際に働く中国人エンジニアの声等をしっかり伝えることも有効的だろう。

2012年2月29日水曜日

世界の技術革新を促進するサービス MyGengo

 












「フラット化した世界の新プラっトフォームは、壁と屋根と床を実質上、一気に吹っ飛ばした。つまり、光ファイバーとインターネットとワークフロー・ソフトウェアが世界を結ぶと、共同作業を阻んでいた壁が吹っ飛ばされた。ともに働けるとは夢に思っていなかった個人や、外国に移すことなど考えられなかった仕事が、突然動きだし、旧来の高い壁が消え失せた。」フラット化する世界(上)増補改訂版328pより
トーマス・フリードマンが本書を出してからすでに約4年が経過した。確かに高い壁は消え、私たちは、どこからでもネットを通じて活動することが可能になった。 ある調査では、インターネットの普及率は35%、携帯電話の契約率は87%、スマートフォン契約率でさえ17%に達したと言われており、インフラ面の普及は、世界中のどこでも容易に情報共有、発信、協働、またサービスを供給、享受することを可能にしつつある。 実際、固定回線に比べ設置が楽で安価な3Gモバイルネットワークは、特に途上国で広がり、今やゴビ砂漠のど真ん中でも標高5000m級の山中でもネットを使うことが出来るようになった。 しかし、最後の困難な壁は未だに残りつづけている。言語だ。 合理性というバベルの塔によってつくられた叡智を集めた技術革新でさえ消すことが難しい 言語という壁は、未だにネットで繋がった素晴らしい人、情報、サービスが世界で融合し価値を産むことを妨げている。 そのような中で、このような問題を解決しようとする日本発のスタートアップがある。myGengoだ。
500 startupsにもなをつらねるmyGengoはハイクオリティー、ローコストの人力翻訳サービスである。 その特徴は ・独自の選択式テスト、翻訳課題により合格率1割の登録翻訳者 ・世界に広がる2500人以上の翻訳者ネットワークから年中無休 ハイスピード翻訳 ・独自の翻訳API にある。 スタンダードタイプであれば24時間以内に仕上がる高品質な翻訳が独自の翻訳APIを導入した既存システム内から直接依頼することができ、やりとりや公開といった時間的コストを大幅に削減することができる。 価格は他のWeb系翻訳サービスに比べれば、若干上がる場合もあるがより長い文章を正確に訳すという点で文体指定や24時間以内の密なコミュニケーションによる精度の確保などきめ細かなサービスを見ると十分許容範囲だと思う。 現状は、 言語的なコストの高い日本企業・日本人がリソースをサービスに集中でき、海外で勝負できるという点が主流であるが、サービスの横展開(世界の企業、人に英語orローカル言語を提供)、将来的には、世界中から集まってくる翻訳情報を元に翻訳者からの正確な現地情報の提供により、世界中の人、情報、サービスのフラット化、技術革新を促進し、新しい価値を加速度的に融合させていくなどmyGengoは無限の可能性を秘めている。 言語的なコストが高い日本から生まれたサービスがどのような展開をしていくのか非常に興味深いし、世界のために必要不可欠なサービスなので、今後注目していきたい。 ※英語版myGengoを使用しました。皆さんいかがでしょうか。